俺の夏季休暇・前編《俺たちのエコライフ#13》
「ど~も~こんちわ」
「・・・なんだい。埋めて欲しいのか」
「そんなトコです~」
「生きたままか死んでから、どっちがいい」
『入るのは俺ではなくて~』
・
・
「空の骨壺は受け付けん・・・」
「えぇ~!そこをナントカ」
「駄目だ。俺の理念に反する・・・お前が代わりに入るか?」
「や・・・それは遠慮しますケド」
「駄目かァ。墓地ならサビシくないかな~って思ったケド」
ジ~サン、ドコでくたばったんかなァ
もう何十年も昔に、急にいなくなってサー
チョットボケてたもんな~
ようブン殴られてたな~オレ
ジーサン、チビでガリガリのクセに
無茶苦茶強かったナ~
なちかしィ・・・
喝ッッッ!!!!!!!!!!
そうそう・・・一回夢に出てきたの
強烈だったナ~
ウ~ンやっぱ忘れたくないからお墓・・・
「子羊・・・・・困っていますね」
「んぉ」
「故人を想い続ける・・・・素晴らしい心です
忘れぬよう、彼を想いながら旅をするなどは如何ですか?」
『旅ィ?』
「そう、旅・・・
まるで彼と一緒にいるかのように想い、旅行するのです」
「へぇ~新しい思い出作っちゃおってことかァ」
「いいかも、今ヒマだし。
ジーサンSulani好きだったし、そこ行こかな」
「フフ、ちょうどバカンスですしね」
「そうだ!Sulaniの海に壺投げたら
海が全部ジーサンのお墓になるカナ?」
「それは不法投棄になるのでやめましょうね・・・」
。
。
というワケでェ
サクッと来ましたSulani
ケッコー最近に新婚旅行で来たケドね~
あの時行かなかった方向にズンズン歩いたら
迷いましたわ
あ~あ・・・ココはドコだっちゃ
お、人が来た
道を聞いてみようカナ
「スンマセ~ン」
「あ!あの!こっちに誰か来ませんでしたか!?」
「誰も来てナイヨ?」
「あぁ・・・そうですか。ドコ行っちゃったんだろ」
「ていうかオネーサン・・・」
「ジョノアちゃんにビミョ~に似てる~」
「?ジョノア?どなたです?」
「ワタシはジョフィーと言います。
一緒に住んでいるオジジ様が急にいなくなっちゃって・・・
オニイサン、探していただけませんか?」
「名前も似てるし、なんだか親近感な話題まで」
イイヨ~
オジ~サ~ン?
オジジ様~!
「おらんなぁ」
「はぁ、ドコ行っちゃったんでしょう・・・」
「オレ腹減ってきちゃった・・・」
「あぁスミマセン!ウチ近いんで何か食べましょう!」
「ワ~イ」
「コッチですよ!」
バヒューン
「ちょ、ウソ・・・速・・・」
「コッチで~す」
『坂道でも減速しないねジョノ似ちゃん・・・』
「オ~イ」
「ジョフィ~飯はまだか~」
「オジジ様!?帰ってらしたんですか!?」
「腹減ったぞ~」
「もう!心配したんですから・・・!」
「え、マジ?」
「生きとったんかジーサン」
「あン?誰ぢゃお前わ」
「ジジイ覚悟!」
「え、なんで唐突に熊」
「甘いわクソガキ!」
「フギャー!」
『なんなの・・・』
「オジジ様!ジョフィーは暴力反対デス!」
「ついやっちゃうんぢゃ」
「オニイサン、オジジ様と知り合い?」
「で、コイツ誰ぢゃの」
「え~!ジーサンオレオレ!ヴァレックスだヨ~!」
「ヴァレックス・・・!」
「知らん」
『エェ~!』
「そんなことよりジョフィたんメシまだかの」
「さすがにショックじゃん・・・」
「オジジ様ボケてますから・・・」
つづく