#01《霊能探偵アリオ君》
初めての超常現象
「ココだ!やっと着いた~!」
アタシ、今日からこのお屋敷に住むコトになったの
アタシのお父さんとお母さんは昔事故で死んじゃって・・・
ず~っと施設にいたんだけど、つまんない毎日だった。
遠い親戚の人が亡くなる前にアタシの事を知って、このお屋敷をくれたんだって
チョット古いけど、ラッキー!
お庭はそのうち草むしりかなァ・・・
お花とか植えたいよね・・・
「え!すごくキレイな部屋~!」
本当にここに住んでいいの?嬉しい・・・!
「家具も揃ってるし・・・ホコリっぽくないし!」
良かった~
「・・・でも知らない人の写真とかはいらないかなァ」
飾りの趣味は・・・微妙かも・・・
とりあえず今日は休んで、明日他の部屋も見てみよ!
。
。
。
「おっきいベッドで寝ちゃった♪」
寝室もキレイで超快適だった。お掃除しててくれたのかな?
他のお部屋も見てみよ~
ふんふん、ココも寝室なんだ?
手前はバスルームで、
奥の部屋はなんだろう?
ガチャ
「ムム~・・・霊の気配が昨日より強まっている・・・」
フワフワ
「やはり・・・この屋敷はガッツリ呪われている!」
「ちょ、ちょっとーーーー!?!?!?!」
「オヤ、新しい家主さんですか」
「誰なのアンタはー!」
「ワタクシ、霊能探偵志望の" 亀有 亜理雄 "と申します」
「はぁ・・・?」
複合商業施設みたいな名前ね・・・
「コチラで霊とコミュニケーションを取りつつ修行させ頂いています」
「そ、そんなの聞いてない!」
「ワタクシが決めたことですもの」
「だ、ダメだよ~!」
「お、男の人と二人っきりで住むなんて・・・」
もぢもぢ
「オヤ、二人っきりではないですよ」
「コチラにはたくさん幽霊の気配を感じます」
「え、ヤダァそうなの⁉」
「オバケ・・・見たことないけどヤダァ・・・」
「ならばこのワタクシめがいれば安心です」
「う~ん・・・」
「ま、百聞は一見に如かずです。ソチラにお掛け下さい」
「ところで貴方のお名前は?」
「横浜 サティ・・・」
「オヤ、横浜はビブレではないでしょうか?」
「何の話よ・・・で、何するの?」
「ではサティさん、念じて浮いてください」
「そんなこと急にできるわけないじゃん・・・」
浮いてるし・・・何者よ・・・
「ん・・・こう?」
「ム!中々筋がいいですね!来ますよ!」
「・・・?」
ブワ!
「え!え⁉なになに⁉」
「激おこプンプン浮幽霊たちですよ。一気に3匹も、凄いですよビブレさん」
「サティです!!!」
「ヤダー!アタシ怖いから外に逃げる~!」
「オヤオヤ」
バタン
「もォ~・・・何なのよ~!ハァ・・・やな汗かいたぁ・・・」
「やれやれ、見慣れていないと仕方がありませんね」
適当にお話して帰って頂きますか
「ビブレさ~ん、オヤ、どちらに行かれた」
「コチラから音がしますね」
ガチャ
「キャ!ちょ、ちょっと」
「オヤ失礼。ビブレさんは着やせするタイプなのですね」
「ジロジロ見てないでさっさと出て行って!!!」
それと名前はサティですー!
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「・・・で、アンタ結局ココに住むの?」
「そのほうが良いと思いませんか?」
「・・・・変なコトしたら承知しないからね!」
「ご安心を」
そんなこんなで
乙女と
自称霊能探偵志望のヘンな男との
共同生活が始まったのでした・・・
つづく