話談《ルームシェア#09》
「いいッスね~マイシューノの海ってのも」
「・・・ウム」
「ねぇイアンちゃん」
「なんだ」
「今、楽しい?」
「そうだな」
「人生で一番良い時期かもしれんな」
「・・・そお」
「・・・・」
「・・・・」
「わりと」
「?」
「いいと思うぞ」
「・・・何が?」
「お前が言うほど父親に似ていない」
「・・・唐突ッスね?」
「コンプレックスというのは
持っていない奴の方が少ない」
「・・・アンタにもあるスか?」
「もちろんある」
『昔は肌が随分汚くて、どこへ行っても嫌がられた』
『・・・今はそうでもないじゃん?』
『社交を絶ったらみるみる回復したが』
『あとは歯並びがめちゃくちゃ悪かった。
多少直したが、今でも歯を見せたくない』
『(あんまり笑わないのもそのせいか?)』
「・・・フフッ可愛いトコあるッスね」
「他人から見た自分のコンプレックスなんざ、
そういうモンだ。だからお前は・・・」
「お前が思っているほど、悪くないぞ」
「そ、ぉスか・・・・?」
「あぁ」
つづく